戒厳令下のフルオさん

- 続 FOOL ON THE WEB -

中村哲氏

今日の起床は7時半。妻が出勤の支度をしている最中の起床です。妻に頼まれてゴミを捨てに外に出ると、少し肌寒く感じるくらいの気温。空も雲が覆っている感じで少し薄暗く感じます。気温が低いのは過ごしやすくありがたいのですが、このところスカッとした晴れが少なく、気分的にも陰鬱になりがちです。8月になろうとしているのにまだまだ雨続き、天気予報ではようやく来週晴れ間が見えそうです。その頃に梅雨明けになるのかな? 例年だと7月20日くらい? 10日近く遅れることになるんでしょうか。

 

この日記を書く前に、3月くらいから読み始めて途中挫折していた、中村哲著「天、共に在り」を読み終えました。2日ほど前から再開して、5〜60ページ。まだまだ普通の人に比べると読書スピードは遅いですが、馳星周の小説をきっかけに本が読めるようになった感覚があります。氏の小説がきっかけになったのか、それとも会社を辞めて約6ヶ月の休養期間が読めるようにさせたのかはっきりしたことはわかりませんが、もとあった能力が回復するのは喜ばしいです。まず単純に、本を楽しんで読めること自体が嬉しいことです。

 

中村哲氏の著書は、氏の文字通りのライフワークとなってしまったアフガニスタンの用水路建設に関する話ですが、砂漠への用水路建設は水を確保する闘いであると同時に、水害を防ぐ闘いでもあることが後半で語られます。乾燥した山肌は保水力を失い、降雨があると一挙に下流に流れる。こうして砂漠に洪水という一見矛盾した現象が起こるようです。

 

折しも日本では近年の気候変動で局地的な豪雨が増え、毎年、河川が氾濫したというニュースを聞くようになりました。なんだか河川の氾濫が当たり前のニュースになりそうなほど頻繁に起きていますが、この本を読むと、河川の維持は一回対策して終わりという生易しいものではなく、対策と改良のたゆまぬ努力の賜物であることがわかります。日本も『国土強靭化』などという勇ましい言葉が使われていますが、実のところ河川改修・維持に関する予算は大幅に削られたままになっていたそうで、それでは現状もむべなるかな、という気がします。中村哲氏が生きていたら、今の日本の治水の状況をどのように感じられたでしょうか。

 

2020年7月30日 18:30 駅前の喫茶店にて